亜愛一郎の転倒 (創元推理文庫)のレビュー
《亜愛一郎》シリーズの第二作
名探偵名鑑が編まれた時に(五十音順で)最初に
くるようにと命名された本作の探偵役・亜愛一郎。
雲や虫、化石などを専門に撮影するカメラマンである亜愛一郎は、その眉目秀麗な
外見にそぐわないドジな振舞いを連発するとぼけた人物として造形されていますが、
誰よりも早く事件の存在に気づき、真相を見抜く観察力と推理力も備えた好漢です。
ミステリとしては、奇妙な謎や風変わりな状況が示された後、それについて天啓が
閃いた――「白目をむく」というアクションをする――亜が、謎解きを披露する ――
というのが基本パターンで、まず意外な真相が明かされてから、亜がそこに到るまで
の思考のプロセスが開示されるといった構成が採られています。
その際に展開される読者の意表を突くチェスタトンばりの逆説的ロジックは、
ときに非現実的なものになる恐れもありますが、それに説得力を付与すべく、
全編に亘ってさりげなく数多くの伏線が張り巡らされています。
読者は、亜の謎解きによって、あれもこれも伏線だった
のかと気づかされ、必ずや驚嘆させられることでしょう。
※収録された短編の内容については「コメント」をご参照ください。
名探偵名鑑が編まれた時に(五十音順で)最初に
くるようにと命名された本作の探偵役・亜愛一郎。
雲や虫、化石などを専門に撮影するカメラマンである亜愛一郎は、その眉目秀麗な
外見にそぐわないドジな振舞いを連発するとぼけた人物として造形されていますが、
誰よりも早く事件の存在に気づき、真相を見抜く観察力と推理力も備えた好漢です。
ミステリとしては、奇妙な謎や風変わりな状況が示された後、それについて天啓が
閃いた――「白目をむく」というアクションをする――亜が、謎解きを披露する ――
というのが基本パターンで、まず意外な真相が明かされてから、亜がそこに到るまで
の思考のプロセスが開示されるといった構成が採られています。
その際に展開される読者の意表を突くチェスタトンばりの逆説的ロジックは、
ときに非現実的なものになる恐れもありますが、それに説得力を付与すべく、
全編に亘ってさりげなく数多くの伏線が張り巡らされています。
読者は、亜の謎解きによって、あれもこれも伏線だった
のかと気づかされ、必ずや驚嘆させられることでしょう。
※収録された短編の内容については「コメント」をご参照ください。
《亜愛一郎》シリーズの第二作
名探偵名鑑が編まれた時に(五十音順で)最初に
くるようにと命名された本作の探偵役・亜愛一郎。
雲や虫、化石などを専門に撮影するカメラマンである亜愛一郎は、その眉目秀麗な
外見にそぐわないドジな振舞いを連発するとぼけた人物として造形されていますが、
誰よりも早く事件の存在に気づき、真相を見抜く観察力と推理力も備えた好漢です。
ミステリとしては、奇妙な謎や風変わりな状況が示された後、それについて天啓が
閃いた――「白目をむく」というアクションをする――亜が、謎解きを披露する ――
というのが基本パターンで、まず意外な真相が明かされてから、亜がそこに到るまで
の思考のプロセスが開示されるといった構成が採られています。
その際に展開される読者の意表を突くチェスタトンばりの逆説的ロジックは、
ときに非現実的なものになる恐れもありますが、それに説得力を付与すべく、
全編に亘ってさりげなく数多くの伏線が張り巡らされています。
読者は、亜の謎解きによって、あれもこれも伏線だった
のかと気づかされ、必ずや驚嘆させられることでしょう。
※収録された短編の内容については「コメント」をご参照ください。
名探偵名鑑が編まれた時に(五十音順で)最初に
くるようにと命名された本作の探偵役・亜愛一郎。
雲や虫、化石などを専門に撮影するカメラマンである亜愛一郎は、その眉目秀麗な
外見にそぐわないドジな振舞いを連発するとぼけた人物として造形されていますが、
誰よりも早く事件の存在に気づき、真相を見抜く観察力と推理力も備えた好漢です。
ミステリとしては、奇妙な謎や風変わりな状況が示された後、それについて天啓が
閃いた――「白目をむく」というアクションをする――亜が、謎解きを披露する ――
というのが基本パターンで、まず意外な真相が明かされてから、亜がそこに到るまで
の思考のプロセスが開示されるといった構成が採られています。
その際に展開される読者の意表を突くチェスタトンばりの逆説的ロジックは、
ときに非現実的なものになる恐れもありますが、それに説得力を付与すべく、
全編に亘ってさりげなく数多くの伏線が張り巡らされています。
読者は、亜の謎解きによって、あれもこれも伏線だった
のかと気づかされ、必ずや驚嘆させられることでしょう。
※収録された短編の内容については「コメント」をご参照ください。
家の〈消失〉と死体の〈出現〉
◆第一話「藁の猫」
完璧な写実性で有名な画家の内縁の妻が服毒死した。
そして、なぜか遺体の手には藁の猫が握られていて…。
前作『狼狽』の「DL2号機事件」と同じテーマが変奏されます。
◆第二話「砂蛾家の消失」
(人家消失)という大ネタですが、
仕掛け自体は至ってシンプル。
動機の必然性の演出が見事です。
◆第三話「珠洲子の装い」
飛行機事故で死んだ流行歌手の名を冠した
映画のオーディションでの出来事。
これぞ逆説、という論理が冴えわたります。
◆第四話「意外な遺骸」
手毬歌に見立てられた他殺死体の謎。
死体の死因がとにかくユニーク。
廻文のお遊びも楽しいです。
◆第五話「ねじれた帽子」
落とした帽子を頑として受け取らない男の謎。
冒頭、無造作に示される伏線が、とにかく洒落ています。
◆第六話「争う四巨頭」
第一線を退いた、同郷の政財界の大物4人。
人目を避けて、彼らが会合するのはなぜなのか?
「知」の喜びや、それまで気づかなかった自分の
嗜好を知ることこそ、人生の醍醐味でしょう。
◆第七話「三郎町路上」
タクシーの後部座席に突然出現した死体の謎。
昆虫学者・響子の姐御っぷりが忘れがたい印象を残します。
◆第八話「病人に刃物」
「転倒」がキーワード。
誰の身にも起き得る危険ですが、
最終的には因果応報というところ。
作中の、勘違いコント風の会話に、現代でも
決して色褪せない著者の洒脱さを感じます。
完璧な写実性で有名な画家の内縁の妻が服毒死した。
そして、なぜか遺体の手には藁の猫が握られていて…。
前作『狼狽』の「DL2号機事件」と同じテーマが変奏されます。
◆第二話「砂蛾家の消失」
(人家消失)という大ネタですが、
仕掛け自体は至ってシンプル。
動機の必然性の演出が見事です。
◆第三話「珠洲子の装い」
飛行機事故で死んだ流行歌手の名を冠した
映画のオーディションでの出来事。
これぞ逆説、という論理が冴えわたります。
◆第四話「意外な遺骸」
手毬歌に見立てられた他殺死体の謎。
死体の死因がとにかくユニーク。
廻文のお遊びも楽しいです。
◆第五話「ねじれた帽子」
落とした帽子を頑として受け取らない男の謎。
冒頭、無造作に示される伏線が、とにかく洒落ています。
◆第六話「争う四巨頭」
第一線を退いた、同郷の政財界の大物4人。
人目を避けて、彼らが会合するのはなぜなのか?
「知」の喜びや、それまで気づかなかった自分の
嗜好を知ることこそ、人生の醍醐味でしょう。
◆第七話「三郎町路上」
タクシーの後部座席に突然出現した死体の謎。
昆虫学者・響子の姐御っぷりが忘れがたい印象を残します。
◆第八話「病人に刃物」
「転倒」がキーワード。
誰の身にも起き得る危険ですが、
最終的には因果応報というところ。
作中の、勘違いコント風の会話に、現代でも
決して色褪せない著者の洒脱さを感じます。
心のない悪=「亜」
◆第一話「藁の猫」
完璧な写実性で有名な画家の内縁の妻が服毒死した。
そして、なぜか遺体の手には藁の猫が握られていて…。
前作『狼狽』の「DL2号機事件」と同じテーマが変奏されます。
◆第二話「砂蛾家の消失」
(人家消失)という大ネタですが、
仕掛け自体は至ってシンプル。
動機の必然性の演出が見事です。
◆第三話「珠洲子の装い」
飛行機事故で死んだ流行歌手の名を冠した
映画のオーディションでの出来事。
これぞ逆説、という論理が冴えわたります。
◆第四話「意外な遺骸」
手毬歌に見立てられた他殺死体の謎。
死体の死因がとにかくユニーク。
廻文のお遊びも楽しいです。
◆第五話「ねじれた帽子」
落とした帽子を頑として受け取らない男の謎。
冒頭、無造作に示される伏線が、とにかく洒落ています。
◆第六話「争う四巨頭」
第一線を退いた、同郷の政財界の大物4人。
人目を避けて、彼らが会合するのはなぜなのか?
「知」の喜びや、それまで気づかなかった自分の
嗜好を知ることこそ、人生の醍醐味でしょう。
◆第七話「三郎町路上」
タクシーの後部座席に突然出現した死体の謎。
昆虫学者・響子の姐御っぷりが忘れがたい印象を残します。
◆第八話「病人に刃物」
「転倒」がキーワード。
誰の身にも起き得る危険ですが、
最終的には因果応報というところ。
作中の、勘違いコント風の会話に、現代でも
決して色褪せない著者の洒脱さを感じます。
完璧な写実性で有名な画家の内縁の妻が服毒死した。
そして、なぜか遺体の手には藁の猫が握られていて…。
前作『狼狽』の「DL2号機事件」と同じテーマが変奏されます。
◆第二話「砂蛾家の消失」
(人家消失)という大ネタですが、
仕掛け自体は至ってシンプル。
動機の必然性の演出が見事です。
◆第三話「珠洲子の装い」
飛行機事故で死んだ流行歌手の名を冠した
映画のオーディションでの出来事。
これぞ逆説、という論理が冴えわたります。
◆第四話「意外な遺骸」
手毬歌に見立てられた他殺死体の謎。
死体の死因がとにかくユニーク。
廻文のお遊びも楽しいです。
◆第五話「ねじれた帽子」
落とした帽子を頑として受け取らない男の謎。
冒頭、無造作に示される伏線が、とにかく洒落ています。
◆第六話「争う四巨頭」
第一線を退いた、同郷の政財界の大物4人。
人目を避けて、彼らが会合するのはなぜなのか?
「知」の喜びや、それまで気づかなかった自分の
嗜好を知ることこそ、人生の醍醐味でしょう。
◆第七話「三郎町路上」
タクシーの後部座席に突然出現した死体の謎。
昆虫学者・響子の姐御っぷりが忘れがたい印象を残します。
◆第八話「病人に刃物」
「転倒」がキーワード。
誰の身にも起き得る危険ですが、
最終的には因果応報というところ。
作中の、勘違いコント風の会話に、現代でも
決して色褪せない著者の洒脱さを感じます。

ユーモラスにしてトリッキーなところ。でも実は、そんな演出の裏では誰よりも人格者な性格が働いているような気がしてならない。
「藁の猫」なんてどうだろう。こんなにも人間という精神動物を端的に描いて見せた作品があるのだろうか。あまりに悲しい。でもそれを
楽しく読める。その皮肉。抽象的で不合理だからこそ単純。愛しい強迫観念こそ苦しい。その逆も然り。一流の逆説。
また「砂蛾(すなが)家の消失」では、奇術師としても知られた泡坂先生の手品が炸裂だ。家をまるごと消失させてしまうのだ。
その他、上品な滑稽さに酔える「珠洲子(すずこ)の装い」。タイトル同様で遊び心あふれる「意外な遺骸」。緻密なパズル性を有した
「三郎町路上」。そんなのアリ?ちょっと想像してみたらグロテスクな逆説に驚く「病人に刃物」。とにかく面白い。
興味ある方は心ゆくまで遊んでみて下さい。この不思議な造形世界を。